「見えない信頼資産」を作れ──40代以上こそ見直すべきこととは?

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姿勢は大事ーそう考える人は多いと思いますが、そう思う人の数と実際に姿勢に気をつけている人の数は必ずしもイコールではありません。「姿勢は大事、だがそれほど真剣に考えることもない」というのが本音であることも多いのではないでしょうか。

しかし、姿勢を整えることは、見た目だけの問題ではありません──マインドセットや健康にも関係します。そんな「姿勢」を、キャリアが上がってきた40代以上の方にこそ、今いちど見直していただきたいと思います。

 

すべてに関わる「姿勢」の力

人の印象を大きく左右する要素のひとつが「姿勢」です。姿勢は、誰かと初めて会うときは、自分の「輪郭」として最初に相手に印象を与えます。あなたの「輪郭」は、体型だけでなく、人として整っているかどうかを一瞬にして伝えます。信頼感、知性、さらにはリーダーとしての「格」をも伝える非言語のシグナルなのです。

特にビジネスシーンにおいては、姿勢は無言のメッセージ。周囲の評価に、確実に影響を与えます。

例えば、背筋をすっと自然に伸ばし、胸を開いて立つ人は、それだけで堂々とした印象を与えます。「姿勢がいい」はそれだけで褒め言葉になるくらい、印象を良くするものなのです。一方、猫背や首が前に出た姿勢では、どれほど優秀な経歴を持っていても、「頼りなさ」や「自信のなさ」を感じさせてしまうでしょう。

実は、ほんのちょっと首が前に曲がりアゴが前に出てしまうだけでも「品のない印象」になってしまいます。印象はほんのちょっとの差が大きな違いとして現れますが、姿勢はその最たるものと言えます。

ところが、姿勢はその本人としてはいちばん自然に感じる格好でいることが多いので、他者から見てどこかおかしい印象であるのに、本人は全く気がつかないということは実によくあります。特に40代以上ともなると、姿勢のクセは頑固に身に染み付いていて、本人は姿勢の問題に全く自覚がないこともよくあります。

私も仕事上、お会いしたクライアントの姿勢は最初にチェックさせていただきます。その体験から言うと、まず問題ないなと思う方は全体の10〜15%程度、あとは姿勢に関する何らかの問題によって外見の印象がマイナスである方でした。その中には著しく不利な印象になっている方もいました。非常にもったいない話です。

ですから、いちど真剣に見直してみませんか? 優秀な方にこそ、いつもそう言いたいのです。

 

週に数回の「姿勢チェックタイム」を

現在はほとんどの方が仕事中にPCに向かい、仕事から離れた時でもスマホをよく見ています。そのため自然に首が前に出て、猫背になりやすいのです。首への負担で引き起こされる「ストレートネック」も問題になっていますね。

このように、どんな方でも姿勢が崩れやすくなっているのが現状です。ふだん気をつけているはずの私でさえ、知らないうちに姿勢が崩れていることがあります。ですから、ぜひ提案したいのは「正しい姿勢について、いちど真剣に知っていただくこと」そして。「意識的にリセットする習慣をつけること」です。

おすすめしたいのは、まずは正しい姿勢の感覚を体に覚えさせること。下にある「姿勢チェック」を繰り返していただいて体に覚え込ませてください。または独学でやる自信がない方は、整体などで姿勢チェックや矯正をしてもらってください。そして、正しい姿勢を体が理解できるようになったら、週に数回の「姿勢チェックタイム」を設けることで、良い姿勢の感覚をキープします。

【壁を使った姿勢チェック】

・壁に背をつけて立つ

・かかとを揃え、足先は60度ほど開く

・後頭部・背中(首のつけ根)・お尻・かかとを壁につける

これが自然に保てれば、良好な姿勢です。苦しい場合は、すでに姿勢が崩れている証拠です。

またもう一つ大事なことは、上の時に壁と腰の間に余計な空間があいていないこと。ちょうど背骨がはじまるあたりに自分の手のひらを差し入れてチェックしてみましょう。手のひら1枚分がギリギリ入るくらいのあき方であれば問題ありませんが、楽々2枚分以上はあいていそう、となれば「反り腰」という姿勢の崩れが考えられます。

「反り腰」は本来かかるべきでない重心が腰にかかってしまっている状態です。胃部が不自然に膨らみお尻が出っ張る傾向になることから太って見えることがよくあります。また、腰に通常より強い負担がかかるため、腰痛を起こしやすくなります。問題だらけの崩れなので、気がついたらすぐに矯正することをお勧めします。

実は「反り腰」は小学校で習ったことがある人もいる「気をつけ」の格好でなりやすい崩れです。ですから、姿勢を良くしようとする意識の高い方が陥りやすいものでもあります。その意味では、安易な自己流ではなく、いちどプロに見てもらうことは大事です。

 

「たまに気をつける」では効果が出ない理由

よく「ちゃんとしなければならないときはちゃんとする」と、日頃はできないけど大事な時は姿勢を意識する、だから大丈夫、という人の声を聞きます。

しかし、残念ながらそれはできないと思います。姿勢は筋肉と重心の記憶によって形づくられるもの。日常的に意識していなければ、必要な時間中良い状態を保てず、ほんの一瞬で元に戻ってしまいます。それでは印象を変えるには不十分です。また、そもそも日常でできていないものをさっとその時だけ切り替えるということはほぼ不可能です。

それに、毎日の姿勢は体型にも影響します。重心が偏っていると、その積み重ねがO脚や下腹部の突出を引き起こします。実際、トレーニング現場では「生まれつきスタイルに自信がない」と話していた方が、姿勢改善によって驚くほど印象が洗練された例が少なくありません。

また、姿勢が良いということは身体のバランスが取れているということで、反対に取れていなければ、筋肉や腱、内臓などに余計な負担がかかるものなのです。首、腰、ヒザなどの痛み、胃腸の問題などが姿勢の悪さが原因であった、ということはよくあります。これから年齢を重ねる上で、できるだけ自然に健康維持を図るには外せないポイントです。

そして、姿勢を整えることは、見た目と健康だけの問題ではありません。その人が持つ生き方や覚悟のような精神的な要素も姿勢が影響します。ふだん歪んでいたりだらけていたりすれば、それだけ影響を受けます。

 

姿勢を整えることは、未来の自分への投資

「姿勢」は日本語では「物理的な身体の構え」だけでなく、取り組む態度、意欲、心構(「真摯な姿勢」「学ぶ姿勢」など)や、生き方やあり方(「生きる姿勢」など)まで表します。その通り、表層の状態ながら、その人の深い内面を表す要素でもあるのです。

このように一語で身体・態度・思想を表すのは日本語の「姿勢」だけですが、英語で「姿勢」にあたる「posture」は比喩的に「態度」や「方針」という意味になることがあります。同様にフランス語の「posture」、ドイツ語の「haltung」も物理的な姿勢を表す語でありながら比喩的に「態度」という使い方がされるそうです。

やはり、物理的な身体の状態と精神的な状態、そして周囲に与える印象への影響は、言葉は違えど誰もが感じることであるということでしょう。

ですから、今こそ正しい姿勢を身につけていくべきです。

それは「見えない信頼資産」となります。

今あなたがとる姿勢は、将来のあなたの印象を輝かせるでしょう。幾つになっても、しっかりと背筋の通った立ち姿は、どんなに言葉を尽くしても伝わらない「信頼」や「威厳」を今後変わらず周囲の人に届けてくれます。それも一瞬で。

それだけでなく、姿勢への正しい意識が、体型、健康、そしてマインドを自然に健全に保つ鍵にもなるはずです。あらゆる面で人生の質を底上げしてくれる「姿勢」。
ぜひ、真剣に考えてください。

 

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