「プライベート」を尊重できる人が信頼される理由

オープン

 

雑談力を高めようとして、「相手に質問することが大事」と学び、実践している方も多いでしょう。

しかし、

「よかれと思ってした質問が、相手の警戒心を高めてしまう」

そんなことが、実はビジネスの現場では少なくありません。

その“質問の内容”によっては、信頼関係を築くどころか、静かに距離を置かれてしまうことがあるのです。

本来、できるリーダーは、あまり根ほり葉ほり質問をしません。質問の質を選んでいるのです。その選び方について、お伝えします。

 

親しみやすさと無遠慮は、まったく別のもの

人間関係においてよく起きる誤解があります。

それは、
「距離は近いほうがいい」「フランクなほうが信頼される」
という思い込みです。

もちろん、打ち解けた関係は重要です。
しかし、その“距離の詰め方”を間違えると、一瞬で信頼を失うことがあります。

特に注意したいのが、初対面やまだ信頼構築の途上である関係における、「プライベートに踏み込みすぎる質問」です。

たとえば、

「ご結婚は?」
「お子さんはいらっしゃいますか?」
「どちらにお住まいですか?」

こうした質問は、悪気なく、むしろ「関係を深めたい」という善意から出ていることがほとんどです。
聞いたほうが、もっと会話を広げやすくなることもあるでしょう。

ですから、問題は質問そのものではなく、
「そのタイミングで、距離感を間違えること」にあります。

結婚やお子様の有無、住居などは本来ビジネスには関連しないプライベートな事項、つまり個人情報です。個人情報保護についてはビジネスパーソンであれば、かなり意識しなければならない事柄です。それに触れてよいのかどうかは相手に確認すべきことだということはどんな業界にいても、当然知っていることでしょう。

「そういったビジネス事案と、個人の会話は違う」と言う人もいるかもしれません。しかし、慎重に扱うべきことだということに気が付いた人間が多かったからこそ、ビジネスにおいて保護が先行しただけで、気を使うべき領域であることはビジネスでも個人的な会話でも変わりはありません。実際、プライベートな事項が相手にとっては「触れてほしくない領域」である場合は決して少なくありません。

 

一流の人ほど「聞かない」という記憶

私自身、かつては「親しみやすさ=距離を詰めること」と少々思っていたフシがあります。

私は新卒で5つ星ホテルに勤務し、そこで、いわゆる一流と呼ばれる方々と接する機会がありました。そんな方々とお話する中で、「親しみ」の表現と思い、何も思わずご家族やお住まいのことなどプライベートな質問をすることがあったのです。

しかし、そのうちに気づいたのです。相手は、こちらのどんな質問にも微笑んでくださるのですが、どこか一瞬、戸惑いのようなものが表情に現れることに。言葉には出ないし、態度が冷たくなるというわけではありません。しかし、“見えない壁”がすっと立ち上がるような感覚を覚えたのです。

そして同時に気づき始めたことがあります。そういった、成功されて品のある方ほど、私がしたような、プライバシーに触れる質問は誰にもなさらない。彼ら彼女らは最初から、不躾とも言えるような質問をして相手と距離を縮めようとはしません。柔和な雰囲気でこちらを丁寧に扱ってくれながら、むしろ「相手の領域を守る態度」を維持しているように見えました。

それは親しみのない、信頼を感じさせない態度でしょうか? もちろん「NO」です。親しみは十分に感じさせていただき、同時に凛とした心地よい距離感を保つその態度に、私は心を動かされ、信頼につながるポジティブな感情を持ったのです。

正直に言って、不躾な質問から会話が弾むことは決してありません。それでは相手との距離をうまく縮めることはできません。当然、信頼構築の糸口にもなりません。

 

成熟した人が持っている「距離感」の正体

人との距離感が上手な人は何が違うのかというと、シンプルです。

相手にも「守るべき領域」があることを理解しているということです。そして、その領域がだいたいどういった範囲なのかを心得ていることです。

人にはそれぞれ、触れてほしいこと、まだ触れてほしくないこと、触れられたくないことがあります。成熟した人は、それを「聞く前」に想像します。それをまず想像できる客観的な視点があるのです。だからこそ、いたずらには踏み込みません。

ただ、これは相手のことを何も聞かないまま、当たり障りのない話に終始しろということではありません。お伝えしたいのは、距離感というのは徐々に縮めていくものだということ、そしてそれは相手が安心できるように相手の様子を見ながら行うことだということです。

その知恵として「前置きをひとこと」という方法があります。

例えば、少し踏み込んだ質問をする際には

「こんなことをお聞きしても大丈夫でしょうか」

「もし差し支えなければ、教えていただきたいのですが」

など、一言を添えるだけでも、相手の受け取り方は大きく変わります。

この一言があることで、相手には以下のことが伝わりやすくなります。

 

・「自分が答えるかどうかの選択権がある」と感じる

=これは無理に答えなくていいという安心感になります。

・「この人は配慮できる人だ」と認識する

=それだけ、心を少し開くきっかけが生まれやすくなる。

 

つまり、相手の心理的な安全を守りながら関係を築きやすくなります。

もし、この内容をここまでご覧になって、何か感じることがあれば、次に会話をするときに「一歩踏み込む前に、一言を添える」を実践してみてください。

あなたが他者に与える印象はそれだけで確実に変わります。

 

エグゼクティブプレゼンスは「社会的な成熟」を表す

エグゼクティブプレゼンスが発揮されるのは、こういう配慮の仕方も例外ではありません。

あまり知らない方に「エグゼクティブプレゼンス」というと、「見た目」「話し方」など外形的な
要素を思い浮かべることが多いかもしれません。

もちろん、外形的な要素も重要です。しかし、本質はそこだけではないことを申し上げておきます。「コミュニケーションの力」、つまり相手にどう接するか。どの距離で関わるか。どれだけ相手を尊重できるか、という「対人間力」は、エグゼクティブプレゼンスの習得がかなり活かされることです。

エグゼクティブプレゼンスは、「社会的な成熟感」を周囲に感じさせるための技能でもあります。それによって、役割や責任にふさわしい、安心感や信頼感を周囲に与えることが、影響力や際立つ存在感を生んでいくのです。

もしあなたが、
「もっと信頼される存在になりたい」
「人との関係の質を高めたい」
そう感じているなら、

エグゼクティブプレゼンスという視点から、、ご自身のコミュニケーションを見直してみてください。

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