現代のビジネス環境では、単に業務をこなすだけでは「できる人」として評価されることは難しくなっています。特に、リーダーシップを発揮し、組織やチームを牽引する立場にある人々には、単なるスキルや知識を超えた、「エグゼクティブ・マインド」が求められます。
では、この「エグゼクティブ・マインド」とは何か。それは、経営者やリーダー層に共通する思考や行動の特性です。その要素についてお伝えします。
エグゼクティブ・マインドとは
「エグゼクティブ・マインド」とは、その名の通りエグゼクティブのマインドを持つことです。このマインドを持てるか否かであなたは「できる人」になるかどうか決まります。あなたがふだん感じているマインドとどう違うか、エグゼクティブ・マインドを持つ人の特徴を見ていきましょう。
1. エグゼクティブマインドを持つ人は行動を人のせいにしない
「○○さんに言われたからしょうがなくやる」。このような他責思考に陥った行動原理はエグゼクティブマインドにはありません。
エグゼクティブ・マインドの特徴のひとつは「主体性」です。つまり、どんな場合も自分の意志や判断によって行動します。主体性とは、「自分の意志や判断によって行動すること」(大辞林)。つまり、エグゼクティブは、どんな状況でも「なぜそれをやるのか」を考え、納得した上で自分で決断したプロセスを自覚してから行動します。その結果、常に自らの行動の意味や価値を理解し、能動的に仕事を進めることができます。
誤解をしないでいただきたいのは、それが「嫌なことはやらない」「絶対自分の思い通りにする」という行動とイコールではないことです。他者に従わなければならないときなど状況にどうしても合わせなければならなかったときでも、「合わせる」という判断を下したのは自分だという責任感を持ち、自らの選択結果と考えて潔く行動します。
2. エグゼクティブマインドを持つ人は「やらされ感」を持たない
エグゼクティブマインドは「能動的な考え方や行動」も含みます。ですから、自然に自分から求めて課題を見つけ出したり、行動したり物事に働きかけたりします。
優れたリーダーを見ると、「受け身」ではなく、能動的に自分から考えて状況を動かします。例えば、「上司からの指示が足りない」と感じたときには、単に指示待ちをすることはしません。関係者を巻き込みながら情報を引き出し、上司とコンセンサスを取りつつ最適な行動を取るのです。
エグゼクティブマインドには、誰かから何かを言われて動くような「やらされ感」を持つようなスキマがありません。
3. エグゼクティブマインドを持つ人は安易に「妥協」しない
エグゼクティブマインドを持つ人は、自分が納得できる水準を大切にします。彼らは、「これでいい」とはあまり考えません。「これがいい」と確信できるよう検討や努力を重ねます。これは頑固さや独善とは異なり、常に最適解を自然に求めるマインドです。
これは、仕事だけでなく、自分の身の回りに関する小さな選択にも現れます。たとえば、ビジネスリーダーが使うペンや名刺入れ、時計なども、慎重に選ばれたものが多いです。細部へのこだわりが、結果的にエグゼクティブとしての姿勢を形作り、プレゼンスを高めるのです。
「自分で選ぶ」ことができる人がエグゼクティブになる
主体性、能動的、妥協しない心。
最終的に、エグゼクティブ・マインドとは、「自分で考え、自分で選ぶことができる能力」と言えます。成功するリーダーは、環境に流されるのではなく、限られた選択肢の中で最良のものを選び取る力を持っています。
「今の自分には権限がないから、自分では選べない」「自分で考えても、その通りにはならない」と思う人もいるかもしれません。しかし、どんなに成功した人でも、最初は何の権限も持っていなかったはずです。それでも、一つ一つ自分の責任を自覚しながら「選べる範囲で最適な選択をする」ことを続けた結果、成功と言われるようなステージに到達したのです。
このようなマインドはリーダーシップを取っていく上で、信頼され頼られる要素になります。それだけでなく自分で頼りにできる自分の信念、覚悟を形成しやすくなるのです。あなたもこのエグゼクティブマインドを育むよう、小さな習慣から始めてみてはいかがでしょう。
●「これでいい」ではなく、「これがいい」という視点を持つ。
●どんな行動も「最終的にやると決めたのは自分」と意識する
●日々の中「自分が選んでいることは何か」を意識する。
●たとえ小さな選択でも、納得できるものを選ぶ習慣をつける。
●受け身の思考ではなく、「自分の選択でやる」という意識を持つ。
●不足している情報があるなら、自ら主体的に動き、状況を整理する。
これらを意識し、実践することで、あなたのエグゼクティブ・マインドは確実に強化されます。結果として、あなたの存在感は高まり、ビジネスリーダーとしての影響力が強まるでしょう。
上に立つ人の資質/リーダーシップに不可欠な一部として認識されるエグゼクティブ・プレゼンスは外見や立ち居振る舞いだけでなく、主体性、能動的、妥協しない心も必要なものです。
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