「日本人はどこか品がある」「誠実で落ち着いている」
海外でそう評価された経験のある方も多いでしょう。日本人がもともと備えている繊細さや礼節、他者を慮る姿勢は、世界から見て稀有な魅力であり、それ自体が“信頼される資質”として認識されています。
一方で、グローバルなビジネスの場では、こうした魅力がうまく伝わらず、「自信がなさそう」「言いたいことが見えにくい」と受け取られてしまうことも。特にリーダー的なポジションの方は、それだけで無意識に軽んじられたり、信頼構築に時間がかかったり、と見えない不利益になります。実にもったいない話です。
これは、そんなリーダー的なポジションにいることが多い、40代以上の方へお伝えしたいことです。
日本人にはない? “言葉を超えた説得力”とは
今、世界のビジネス環境では、“言葉以外の要素”──つまり、表情・姿勢・声・装い・態度といった非言語のメッセージがますます重要視されています。文化も言語も異なる相手にとって、「言葉にならない情報」こそが、あなたの人間性を最も深く伝える手段になるからです。
冒頭で言ったように、日本人はもともと“静かな気高さや品を持つ”や“誠実で落ち着きがある”というイメージをもたれがちです。これは、やはり私たちが持っている日本文化、そして災害時に見せた謙虚な行動をもとに、抱かれているイメージです。自分たちでも、どこか誇らしく感じる部分ではないでしょうか。
しかし、非言語のメッセージの使い方は、お世辞にも上手と言えない場面をよく見ます。これは、私たち日本人が持つ、もともとの「高い能力」が関係しています。
日本人が持つ高い能力とは「受信能力」「状況を察したり行間を読み取る力」です。これは西洋ビジネス先進国がその逆の「発信能力」つまり「表現し、説明する力」が高いこととよく比較されます。
この日本人が発達している受信能力のため、日本ではことさらに自分の非言語要素を使って自分を適切に表現しようという意欲が育たない土壌にありました。また、「中身がよければわかってもらえる」といったやや甘えた姿勢を生み出すことになったと言えます。
ですから、世界の水準で考えると、ビジネスリーダー層でありながら、表情・姿勢・声・装い・態度が、洗練されていないと感じる場面、あるいは誤って受け取られそうとヒヤヒヤするような人を見る場面などが多いと感じます。
国の代表しかり、民間の企業幹部しかり、と一括りにしては「言い過ぎ」と怒られるかもしれません。しかし、こういったことを感じているのは、筆者だけではないでしょう。これを読んでいるあなたも「確かに思い当たる」と思われることはないですか?
もともと持つ魅力にもうひとつ「武器」を加える
表情・姿勢・声・装い・態度といった非言語のメッセージは、ビジネスシーンでは「エグゼクティブプレゼンス」と同義に考えていただいていいでしょう。エグゼクティブプレゼンスとは、リーダーやプロフェッショナルとして、信頼と尊敬を自然と引き寄せる“非言語の影響力”です。
見る人に、「能力が高い」「仕事ができる」「ランクが上」「キャリアや経験値が高い」と想起させるような、全体的に完成度自然に期待や信頼を引き寄せる「感じ」。そして、外見を含めて全体的に完成度が高い雰囲気を言います。
これを持ち合わせているビジネスパーソンは、大声で目立つ必要も、過剰に自己主張する必要もありません。エグゼクティブプレゼンスは見た目や所作で相手を納得させ、無意識下で信頼構築を急スピードで進める力だからです。
エグゼクティブプレゼンスを構成する要素のほとんどは、西洋的な自己表現力によるものです。「エグゼクティブプレゼンス」という言葉はもちろん英語です。この言葉は2000年代になって生まれたものですが、それ以前からも社会心理学や組織行動論の分野で、リーダーシップの研究とともに、非言語コミュニケーション、印象形成、パーソナルブランディングの重要性が米国を含む西洋で研究されており、その発達過程で言語化されたと考えられています。「言葉によらない影響力」のノウハウはやはり米国をはじめとする西洋諸国で積み上げられてきたものなのです。
日本には2010年前後に伝わりましたが、その頃はまだ日本的なビジネス文化に馴染まないところもあり、現在までそれほど浸透したとは言えません。しかし、今ぜひ改めて正しくエグゼクティブプレゼンスを理解し、自分に必要なスキルの一つとして認識していただきたいと強く願うのです。
日本人ビジネスパーソンがもともと持つ強みである「静謐さ・品・誠実・落ち着きなどのイメージ」そして「高い”察する力”」にエグゼクティブプレゼンスという表現力の武器が加われば、世界に通用する圧倒的な存在感となると信じられるからです。
甘い態度のままでは伝わらない
何度も言いますが、「状況を察する・説明を補完する」ことができる「受信能力」、そして、冒頭からご紹介している“静かな気高さや品を持つ”や“誠実で落ち着きがある”というイメージは控えめで気高く、世界に誇れる美しいイメージだと思います。
しかし、ビジネスの場においては、美しいとばかり言っていいられません。
「察する」ことが当たり前、という一種のバイアスがかかっているせいで、私たちはどうしても表現を曖昧にし「何も言わずともわかってもらおう」と期待する甘い思考習慣があります。それがビジネス上での「弱さ」「理解し難さ」になることがあるのです、
その点、西洋諸国は逆なことが多く、「自分から言わないとわからないでしょう」とばかりに自分から発信していくことが当たり前で、表現力・説明力などの力が発達しやすいのです。明快で論理的、アピール力も優れている──このような人材が多くいることが自然であるわけです。
「美徳や、他者への配慮を重んじる日本的な部分──は大事にしたい、しかし、ただこれまで通り「何も言わずともわかってもらおう」という甘い態度のままでは十分に伝わりません。
相手が異文化・異国の人物であればあるほど、こちらの伝えたいことを意識的に“見せ”、“伝える”力が必要になります。それが「自己表現」であり、「印象コントロール」であり、「プレゼンス」という戦略です。
プレゼンスを高めるのは、ほんの少しの差です。表情や所作、話し方、服装のニュアンスなど、自分の非言語メッセージを「意図して使う」こと。この小さな工夫が、無意識のうちに信頼を生み出す“説得力”となります。
これからリーダーやプロフェッショナルとしての自己を高めるあなたへ
これからのグローバル社会では、語学力はもちろん大切ですが、言葉を超えて伝える力が問われます。日本や日本人ははじめから良いイメージを持たれることも多い──そこに、少しの表現技術と自己認識が加われば、言葉を発する前に信頼や期待は自然に引き寄せられるものになるでしょう。
40代以上の方は、これからリーダーやプロフェッショナルとしての自己をますます高めていくことになります。──世界で信頼される“静かな説得力”「エグゼクティブプレゼンス」を知り、身につけ、磨いてください。
繰り返しますが、エグゼクティブプレゼンスはリーダーやプロフェッショナルとして、信頼と尊敬を自然と引き寄せる“非言語の影響力”です。
そしてもっと大事なことは、エグゼクティブプレゼンスは誰かにまれに与えられる才能ではなく、語学力などと同じように後天的に学んで身につけられるビジネススキルだということです。
あなたが自分の持つ価値をきちんと見つめ、その存在を言葉以上に伝えられるようになるとき──あなたも「日本人のプレゼンス」で世界を魅了する一人となります。
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