エグゼクティブの説得力を高める「声」の戦略

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「エグゼクティブプレゼンス」と言われる、上に立つ人に求められる資質、リーダーシップにはいくつかの大切な要素がありますが、その中でも「声や話し方」は重要な要素です。

特に経営者や管理職などリーダー的ポジションの人、コンサルタントや講師、営業職の方など人をリードしていく立場の人は「声や話し方」について力を磨き自信をつけることが必須です。ここでは特に「声」に焦点をあててビジネスにおける影響力を最大化するための方法をお伝えします

 

声が与えるイメージは説得力を左右する

説得においては論理的な構成力やデータがもちろん大切ですが、その中身を聞いてもらうために「声や話し方」は大きな役割を果たします。同じ言葉でも与えるインパクトが「声や話し方」で変わります。声や話し方は表情や動作と同じく「ボディランゲージ」として対人コミュニケーションの説得力や影響力を左右するもの。成功したい人にとってはトレーニングする価値のある項目です。

私たちは、音楽の持つリズムや雰囲気によって気分が左右されることを経験的に知っています。同様に、「声」も一種の音として、聞き手の印象や感情に強く影響を与えます。

実際、同じ内容を伝えたとしても、「心地よい声」で話す人と、「聞き取りにくい声」の人では、説得力や影響力に大きな差が生じます。説得力を持つリーダーの声には、共通して以下の特徴があります。

 

●適度に低く安定している

●滑らかで余裕を感じさせる

●抑揚があり、リズムが整っている

●適切なスピードで落ち着きがある

●間をとることができる

 

ある研究によると、低めの声を持つ経営者ほど、大企業を率い、高い年収を得ている傾向があることが明らかになっています(アメリカのデューク大学とカリフォルニア大学の共同研究)。この研究では、CEOの声の高さと年収を比較した結果、低めの声を持つCEOは平均して年収が約19万ドル(約1900万円)高いという統計が出ました。

この研究の発表内では、低い声が成功をもたらす理由については特に言及されていません。しかしこれを知った多くの人が、低い声が「落ち着き」や「信頼感」「知的な印象」を強めるためと考えています。筆者も多くの「一流」つまりビジネスで成功し人間的にも高く評価している人に接した経験から、低い声から感じる「落ち着き」や「信頼感」「知的な印象」は一流の人を一流たらしめる要素のひとつと感じています。何より、落ち着いた声のほうが相手に安心感を与え、誰にとっても意思決定をスムーズに進めやすくするというメリットがあります。

では、こうした「落ち着いた心地よい声」をどのように習得すればよいのでしょうか。

 

できる人は知っている?「磨くべき『声』のポイント」

声の印象はいくつかの要素からなります。まず自分の声質、ピッチ、抑揚を意識しましょう。

クリアで聞き取りやすく、落ち着いた声を出すのが理想です。声質は生まれつきのもので変えにくいのですが、まず呼吸を覚えましょう。人前に出て話すときには特に重要なのが呼吸法です。腹式呼吸によって出す声によって深みのある落ち着いた声を出しやすくなります。

腹式呼吸の入門としては、まずゆっくり鼻から息を吸うこと、胸ではなくお腹を膨らませるようにイメージしながら息を吸うこと、息を吐くときはお腹をひっこめながら口からゆっくり吐くこと、この流れを練習していただくと、イメージがつかみやすいです。これだけで気持ちも何だか落ち着くような気がしませんか? 実は腹式呼吸は副交感神経を刺激しリラックスモードに神経を切り替えてくれる作用もあります。緊張しやすい人前で話すときなどの場面にはこの意味でもぴったりな呼吸法です。

声質と違い、自分で意識して変えやすいのは声のスピードや高さです。自分が出している声のスピードや高さをあらためて見直してみましょう。

また、日本人のスピーチやプレゼンを聞くと、抑揚があまりなく平坦な印象になりがちです。これでは使っている言葉に力を与えられず、説得力や影響力に欠ける話し方になってしまいます。これがエグゼクティブの話し方のトレーニングでもいちばん気付くところです。自分で改善するのはやや難しいですが、目元や口元の表情も抑揚をつける要素ですから、表情の豊かさも同時に見直してみてください。

 

声を武器にできるエグゼクティブのマインドセット

ビジネスにおいて、声の印象は相手の意思決定にも影響を与えます。たとえば、大切なプレゼンや商談、社内の会議で「声」が相手に与える印象によって、周囲が持つ発言者への信頼感、言葉の内容の信ぴょう性や切迫感、ソリューションなどへの期待感を変えてしまうことがあるのです。このとき「声」はビジネスコミュニケーション上の高度なスキルの一環として存在します。

できるエグゼクティブは、そのスキルを使いこなそうとする意識を持ちます。「話すこと=相手に影響を与える行為」と考え、言葉だけでなく、声や話し方も「影響力の一部」と捉えます。これができるエグゼクティブの顕著なマインドセットです。彼ら彼女らにとって、声も自己管理の一環であり、ただ素のまま何の工夫もしない、ということはありません。伝えることの責任を意識し、自ら選択した発声、話し方で伝えようとします。

伝える際の「声」を意識することは、単なる話し方のスキルアップではなく、自分の役割を意識したマネジメント力を高める行為です。このように意識し、声や話し方を磨けばおのずと以下のような具体的な結果がついてくるでしょう。

 

✔ 部下やチームの信頼を得やすくなる

✔ 商談や交渉で相手に安心感を与えられる

✔ プレゼンやスピーチの説得力が向上する

 

あなたの「声」は、捉え方次第であなたのビジネスキャリアを成功へと導く強力な武器になります。ぜひ、自分の声を意識し、磨くことを考えてください。


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